事例紹介

連結オンサイト支援サービス事例

お客様情報

東証1部上場の情報通信業。約15社の子会社を持つ企業様。
経理部の人数は10名程度。
一部の子会社の経理も受け持っているため、親会社の経理と連結の担当者は3~4人。

お客様が抱えていた課題
  • IRの充実や今後のIFRS対応に備えて、今のうちに開示に長い時間をかけられるように、これまでのやり方を変えなくてはならないと考えていました。
  • 単体決算にかける時間を短縮すると子会社への影響が大きくなるため、消去法で連結決算にかける時間を短縮させる必要がありました。
  • また弊社は、連結子会社数は多いものの規模はそこまで大きくないため、複数人の連結担当者を置くことも、新しい人を採用して連結について一から教えることも、現実的ではありませんでした。加えて、連結の知識が豊富な人を採用するにも相応のコストがかかることも悩みの種でした。

目標

  • 連結のブラックボックス化阻止
  • 連結の見える化推進
  • 親会社で実施する連結手続の仕組化

連結の可視化により、連結財務諸表作成工数の削減だけでなく、監査工数の削減にも寄与。

アガットコンサルティングが提案したサービス

連結オンサイト支援サービス

決算業務の改善を行い、それを仕組化し、その上で作業代行を実施します。単なる作業代行ではありません。
適切なタイミングで、仕組化されたスキルは御社に移管され、御社での自律運用をサポートします。
なお、ご希望により、継続的にアガットコンサルティングが作業代行をすることも可能です。
オンサイト支援とは、”現場への介入”であり、現場でコミュニケーションを取ることにより、御社の実態に則した業務改善が可能です。

お客様インタビュー

アガットコンサルティング(以下、AGT)の連結オンサイト支援サービスを利用されているお客様(経理部のマネージャー)に当サービスを利用するに至った経緯、実施内容、効果などについてお話を伺いました。

他企業と比較してAGTのサービスの魅力は何でしたか?
  • コンサルティング(業務改善)とアウトソーシング(代行作業)の両立ができることです。

他社 に依頼した場合

1.弊社のやり方にサービス元の企業さんがそのまま合わせる。
→そもそも業務改善ができない。
2.サービス元の企業さんのやり方に弊社がそのまま合わせる。
→業務改善策が実態に合わず、結局上手くいかない。

AGT に依頼すると

弊社のやり方を一旦そのまま引き取ってもらい、業務改善と仕組化を行った後、弊社が移管を受け入れられるタイミングで移管。
→業務改善・仕組化された状態で弊社が自律運用できるようになる。

Q課題の解決手段としてどのような選択肢を考えられていたのでしょうか?

前提として、弊社は、連結子会社数は多いものの規模はそこまで大きくないため、複数人の連結担当者を置くことも、新しい人を採用して連結について1から教えることも、現実的ではありませんでした。
また、連結の知識が豊富な人を採用するにも相応のコストがかかります。
したがって、外部の専門スキルを持った人に入ってもらうのが最適だと考えました。
候補としては、アウトソーシング会社、人材派遣会社、そしてAGTなどがありました。

QAGTの連結オンサイト支援サービスを選択した決め手は何だったのでしょうか?

1. コンサルティングとアウトソーシングの両立
まず、1つ目の理由として、コンサルティング(業務改善)とアウトソーシング(代行作業)のどちらもやってくれそうだと思いました。

他社のサービスは、実務的な作業は担当せず、うわべだけのヒアリングにより実態と乖離した方法論を提案するため、提案内容が現場に定着せず、結局何も変わらないというイメージがあります。
例えば、現場を見れば「ここがネックになっているんだな」と簡単に気付けるようなことも、現場を見ずにヒアリングで現状把握を行うと、些細なこととして重要視されず、そのまま問題なしとして流れていくこともあり得ます。

また、いわゆるアウトソーシングサービスや人材派遣サービスは、我々の現状のやり方にそのまま合わせて経理部の一員として、実務的な作業をサポートしてくれます。ただ、それでは現状のやり方の延長に留まってしまうため、理想の実現も課題の解決もできません。実際に、候補の1つであったアウトソーシング会社は「深夜残業も一緒にやりますよ」と提案してくれましたが、「深夜残業をなくしたいから依頼しようとしているのに…」と違和感を感じました。

対して、AGTは実務的な作業を行う業務委託契約の中にコンサルティングも含まれており、我々のやりたいことが実現できると思いました。
また、オンサイト支援(※下記参照)というアウトソーシングのやり方が要望に沿ったものであったことも大きな決め手となりました。実際に、型にはまった提案ではなく、我々の実務に即した提案をしてくださっています。

2. 担当者がポジティブであること
次に、2つ目の理由として、AGTの担当者が常にポジティブだったことです。
「こういう風にしたい」と理想について話した時に、否定、ダメな理由から切り出す人が多い中、AGTは「そうですよね。そのためには~」と肯定と提案から入ってくれます。
これも一緒に仕事をしたいと思えた理由です。

3. 担当者がシステムに精通していること
そして、3つ目の理由として、AGTの担当者がシステムに精通しているということです。
決算を短期化するには、今あるシステムを最大限に利用し、仕組化する必要があります。
AGTは、会計実務だけでなくシステムにも精通しており、実務とシステムの繋がりの説明がとても上手でした。

QAGTの連結オンサイト支援サービスの特徴の1つとして、コンサルタントが直接訪問することが挙げられます。これについてはどうお考えですか?

現場に来てもらえると、その場で解決できることが多くてとても有り難いです。メールで聞くほどではないちょっとした質問も、直接話をすることですぐに解決できています。

アウトプットの作成についても、作成後のチェックのみではなく、作成前のタイミングで軽く相談して方向性を確認することで ムダな物を作成するということがなくなっています。

QPJTがスタートして9か月で、具体的にどのようなことを実施してきましたか?
また、それらは当初の課題の解決に結びついていますか?

1. ブラックボックス化していた作業内容のオープン化
まず、ブラックボックス化していた各担当者の作業内容を整理し、引き継ぐ項目や注意事項などをオープンにしました。日頃から、「ポイントを箇条書で良いので残しておいて」とお願いしてはいるものの、誰が使うということが見えないので、結局後回しになってしまっていました。AGTにお願いすることで、各担当者の抵抗を受けずに強制的に作業内容のオープン化ができました。

2. 親会社で実施する連結手続の仕組化
最初の2Q(半年)は、親会社でできることからアプローチしました。
具体的には、既存システムを活用する事で、各担当者が「職人的に」エクセルで行っていた作業を仕組化しました。仕組化することで、時間と精神的な余裕が生まれ、以前から力を入れたいと考えていた項目(未実現利益の消去や資産除去債務の算定など)に十分な時間を割けるようになりました。

3. 連結パッケージの改良
その次の1Q(3か月)は、連結パッケージの改良に取り組みました。親会社側のアウトプットがある程度整理できたことにより、「子会社からこのデータをこの形でもらったら便利」ということが見えてきました。それらをふまえて、連結パッケージを改良しました。
つまり、インプット側からのアプローチですね。
連結パッケージのフォーマットが変わった程度で子会社の負担はなく、我々親会社が楽になるという非常に効率的な改良でした。

4. 監査法人対応
監査法人とのやり取りにムダがなくなるように、監査法人向けにシステムの使いこなし方についてのレクチャーをしてくれました。
また、「こういうレポートがあるといいな」という監査法人のリクエストに応えて、会計システムへのフォーム登録もしてくれました。これらにより、監査対応時間も短縮できていますし、必要な会計データを効率よくシステムから取り出せるため、監査法人からの(AGTへの)評判も良く、決算が今まで以上にスムーズに運ぶようになりました。

5. システムの最大限の活用と仕組化
さらに、面倒な作業を減らし、システムの有効活用やその他の仕組化をして、手作業で間違えるリスクも減りました。複雑な連結の無駄をなくし、どんどんシンプル化・高度化しています。我々がこのまま連結オンサイト支援サービスをAGTから受け続けるとしたら、仕組化しなければ、来年も我々とともにAGTも複雑な作業をしなくてはなりません。そういう意味で、同じ方向を向いているというのも、上手くいっている理由かもしれませんね(笑)

6. 担当者への優先順位のアドバイス
担当者への経理業務の優先順位についてもアドバイスしてくれています。
具体的には、未実現利益や資産除去債務の処理に力を入れて欲しいのに、担当者は、未実現利益を伴わないグループ間取引に時間を割いていました。グループ間取引をシステムに入力すると自動的にエラーを抽出してくれるのですが、どういうわけかエラーの数が非常に多かったのです。担当者は、それでは調べにくいからと、Excel上で各社の数字を貼り付けて個別修正仕訳を入れて…、と工数をかけていました。こだわっていることを否定するのは気がひけるものですが、AGTは説得力のある理由をやんわりと担当者に話して納得させてくれました。おかげでもっと重要な業務に時間をかけられるようになりました。外部の専門家のからのアドバイスだと受け入れてもらいやすいですね。

QAGTのPJTの進め方や特徴について感じていることはありますか?

1. 実務に即した提案をしてくれる
AGTは、連結パッケージの改良においても、テンプレート(型にはまった)提案ではなく、実務に即した提案をしてくれています。

2. 課題を一つずつクリアし、理想に近づいていく
また、四半期ごとに区切りながら、「次はここを改良しましょう!」とやるべきことをバージョンアップしているので、進んでいる感覚が強いです。「まだ9か月しか経っていないのか!」というのが信じられないくらい理想に向けてかなり進んでいます。

3. 我々のやり方をそのまま引き継いでから改良する
我々がやっていた方法でそのまま引き継ぎ、その後そのやり方を理想に近づくように効率化、改良してくれています。だから、実務に即した提案ができるのだと思います。

4. 役割分担が明確である
今までやりたくてもできなかったことが、「こうしたいですよね」とAGTとコミュニケーションをとって役割分担をしながら実現していっています。役割分担としては、主に仕組化部分をAGTがやっている感じです。

5. 絶対的な安心感がある
弊社は組織の動きが多いので、企業結合や連結に強い専門家がいるのはとても助かります。監査法人以外で守秘義務を結んでいる会計士にいつでも相談できるのは、安心感があり、気持ちがずいぶん楽になりました。

Q今後AGTと実現していきたいことは何でしょうか?

今後は、システムを使っていない子会社もシステムに取り込みたいと思っています。

AGTが入り、そもそもやりたかったことが実現できるようになり、さらにAGTからの「ここもできるよ」という提案もプラスされていき、理想のレベルがどんどん上がっていっています。一つ達成すると、「ここまでできたから次はここまで」というようにやりたかったことがどんどん出てくるのですね。

QAGTの連結オンサイト支援サービスに合っている会社はどういう会社でしょうか?

1. 課題があるけど手をつけられていない
課題があることはわかっているけど、自分たちで解決しきれない・手を付けられていないという会社ですね。自分たちは上手くやっているつもり、という会社だと、AGTの解決策に対して面倒な指摘をされたと思ってしまいますよね。それでは非常にもったいないです。

また、単なる人手不足なら、人材派遣会社か他社のアウトソーシングサービスで足ります。

課題があることはわかっていても、自分たちで解決しきれない、他にも問題があって取り掛かれないという会社は、他社のサービスにお願いするのではなく、業務改善と代行作業を同時にしてくれるAGTに依頼すると一石二鳥です。

2. 管理会計と制度会計の違いを全社的に理解している
あとは、管理会計と制度会計の位置づけの違いを、経理部だけでなく経営者層が理解している会社さんはAGTのサービスとの相性がとても良いと思いますね。

我々は、管理会計(経営者と子会社向けの数字作り)は自社でしっかりとやって把握しておきたいと思っていますが、制度会計(株主や社外向けの数字作り)は外部にお願いしても良いと考えています。制度会計は会社法や証券取引所などによって決められた期日とルールに則って作成するものだからです。

管理会計と制度会計の違いがきちんと整理できていない会社だと、経営に関わる数字の部分を「外部にお願いするなんて…」となってしまうことも考えられるのでこの会社としてのスタンス・考え方はAGTのサービスが合うかどうかの重要なポイントだと思いますね。

Q最後に、AGTに依頼したメリットを一言で表現すると何になりますか?

一言で表現すると…。

効率化というのはもちろん含むんですが、”改善”とか”推進”というニュアンスが強いんですよね。何か良い言葉ないですかね?(笑)

連結について言うならば、”連結のブラックボックス化阻止”とか”連結の見える化推進”です。連結の可視化により、連結財務諸表作成工数の削減だけでなく、監査工数の削減にも寄与しています。

いずれにしても一言だけで表現するのは難しいですね(笑)

まだ完璧ではないですが、実現したい理想にどんどん近づいています。そして一歩進むごとに理想もどんどん高くなるという好循環が生まれています。

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